春日の家



《KS-001》
長年誰も住まず空き家になっていた
古民家に命を吹き込み再び甦らせる
時が遣って来た。
春日の家、築約80数年であろうか?
なぜか、この家に住まれた先人達の顔が
たくさん見えた気がした。

《KS-002》
長年の雨風に絶えて来たこの家も
空き家になり、とうとう前回の台風で
屋根瓦が飛ばされ雨漏りが・・・
何をさて置いても再生は屋根瓦から
始めなくてはならない。

《KS-003》
これは箱棟・・・今回この箱棟は
再生して使うことになりました。
荒々しい波に力強く空を飛ぶ鶴達
新しく葺き替えられた屋根にこの波と
鶴達は再生され戻って来ることでしょう。

《KS-004》
クレーン車のブームが空高く伸び
鉄のバケットが屋根に降ろされ土と瓦が
入れられる。
そうです!瓦の葺き替えが始まったのです。
瓦一枚落とすこと無く丁寧に積み込まれ
そして速やかに 降ろされる。

《KS-005》 大屋根の土と瓦が降ろされると
下屋根(ゲヤネ)の瓦を降ろす。
そして後を追うように根板が張られる。
土と瓦を降ろした後は薄い屋根板が現れ
その上に厚い杉板を隙間無く張る。

《KS-006》
地面に降ろされた瓦を水洗いし
これから葺く瓦と同じイブシ色に
瓦一枚づつ丁寧に塗装する。

《KS-007》
新しいイブシ瓦が葺かれる。
そして再生された箱棟の瓦が
元通りに積まれて行く。
この箱棟瓦一枚間違えると全て
合わなくなってしまう。

《KS-008》
母屋の屋根が終わり、息つく間も無く
長屋門そして離れの屋根と全ての屋根が
葺き替えられた。

《KS-009》
雨漏りの心配も無くなり解体工事
が始まった。
長年空家だったため床下は湿気が酷く
床は全て剥がされた。

《KS-010》
湿気て腐った床に変わり新しい床が
張られる。
床下には断熱材が敷かれ杉のフローリングが
張られた。 

《KS-011》
屋根の勾配なりに母屋の天井が張られた。
曲がった大きな丸太の梁は表しにし、
杉の板を
一枚づつ丸太に沿って削り合わせる。

《KS-012》
長屋門はかなり傷みが酷く再生に
手間
が掛かった。
床の間や違い棚は腐りを取り除き
元通り再生し
床と天井を張る。

《KS-013》 天井と床が張られ木工事は終わり
左官工事が始まった。
新しい壁に小舞を組み荒壁を塗り
乾くのを待つ。

《KS-014》 荒壁が乾き、中塗りをする。
一壁一壁丁寧に、下地が
作られる、この中塗りで、
仕上げが決まるからである。
そして、仕上げまで時間を置く。

《KS-015》 木部に塗装をする。
杉板を張った天井には柿渋を、
古い柱や鴨居には、ベンガラ色
を塗る。

《KS-016》 壁の仕上げを塗る。
一階の壁には、珪藻土が塗られ、
二階は、漆喰仕上げがされた。

《KS-017》 外壁が、塗られる。
古い壁は、全て剥がし、
補修がされた。

《KS-018》 補修が終わると、中塗りをする。
鏝ムラ一つ無い下地が作られた。

《KS-019》 外部の木部全てに、ベンガラ色が
塗られた。
長年、雨風に打たれた白く晒けた
木部は、見る見る打ちに、ベンガラ色で
甦って行く。

《KS-020》 外壁に漆喰が塗られ、腰には重みを
出すために、玄昌石風のタイルを
張って、母屋の外壁が仕上がった。

《KS-021》 そして、長屋門の外壁を直す。
古い壁は、落とされ再生をする。

《KS-022》 KS-012で見た長屋門内部、天井には
柿渋が塗られ、あのボロボロだった
壁は、漆喰で仕上げられた。

《KS-023》 いつ壊れてもおかしく無い、長屋門の
外壁も漆喰壁で、再生された。

《KS-024》 母屋に帰り、内部を見ると建具に
柿渋が塗られ、杉のフローリングにも
柿渋が塗られていた。
これで、再生工事が完了した。

《KS-025》 これから、春日の家を一通り見て
回ることにしょう。
まずは、玄関内部から建具は
そのまま再生され、土間には
御影石が張られている。

《KS-026》 玄関から居間に入る。
昔のイメージを壊さぬように、気泡の
入ったガラス戸は、そのまま使用して
仕上げた。

《KS-027》 既存和室8帖6帖の続き間。
柱、鴨居、長押などは、ベンガラ色に、
天井は、菜種油で古色を取り戻し珪藻土を塗る。

《KS-028》 何十年も使われず、手も付けれなかったトイレが見事に甦りました。
昔のイメージを壊さず、新しい手洗いと便器を組み込んだ。

《KS-029》 2階に上がると、書斎兼ギャラリー
スペース。
屋根なりに張られた天井に、規則の無い曲がりクネッタ大きな梁が、この家の高級感を感じさせる。

《KS-030》 長屋門の内部を見る。
柿渋の塗られた天井に、油を塗った柱と梁、真っ白い漆喰壁で小さな部屋ではあるが、一番落ち着ける場所である。

《KS-031》 そして、長屋門の外部、内部の落ち着ける場所も、この外部の仕上がりでも解る。

《KS-032》 完成した春日の家の全貌である。
この家で生まれ育った人達のために、
出来るだけ思い出を、壊さぬように
再生されました。

《KS-033》 再生前 再生後

《KS-034》 再生前 再生後

《KS-035》 再生前 再生後

《KS-036》 再生前 再生後

《KS-037》 再生前 再生後